
やりたいことリストを作ったあと、たいていの人が同じところでつまずきます。どこに置いておけばいいのか分からない、という問題です。
ひとりのリストなら、正直どこでも構いません。ただ恋人や夫婦、友達と一緒に持つとなると話が変わってきて、置き場所を決めないまま書きはじめたリストは、たいてい数か月後には片方のスマホの奥で誰にも開かれないまま眠っています。
この記事では、紙・LINE・スプレッドシート・アプリの4つを、弱いところも含めて比べます。先に言っておくと、どれが正解ということはありません。
そもそも「共有」の何が難しいのか
共有がうまくいかないとき、だいたい次の3つのどれかが起きています。
- 片方しか更新しない。 書いた人だけが覚えていて、もう片方は中身をほとんど知らない
- 埋もれて見返さなくなる。 最初の1か月は見るが、そのあと存在ごと忘れる
- 「やろう」と言い出すきっかけがない。 リストはあるのに、実行につながらない
この3つのうちどれを一番避けたいかで、選ぶ方法が変わってきます。順番に見ていきます。
方法1:紙・手帳に書く
いちばん古いのに、いちばん侮れません。書く時間そのものが楽しく、手を動かすと思いつきやすい。2人で1冊を囲んで書く時間は、それ自体がちょっとしたイベントになります。
弱点ははっきりしていて、離れていると使えないことと、失くしたら終わりということです。近所に住んでいて頻繁に会う相手、あるいは同居している家族向け。
方法2:LINEのノート
「共有 ライン」で探してここに来た方には、まずこれでいいと思います。
最大の利点は、始めるのに何も要らないことです。新しいアプリを入れる必要がなく、相手にお願いする手間もない。共有のハードルがゼロなのは、他のどの方法にもない強みです。
ただし流れていきます。ノートに固定しても日々のやりとりに埋もれて、数か月後には探す気が起きなくなる。並べ替えも絞り込みもできないので、20〜30個までなら快適ですが、100個並べた瞬間に読み物として破綻します。達成したかどうかの管理にも向いていません。
方法3:スプレッドシート
自由度は4つのなかで断然いちばんです。カテゴリ、達成日、かかったお金、写真のリンク。好きな項目をいくらでも足せますし、2人以上でも同時に編集できます。
ただ、スマホで開く気になりません。 ここが決定的で、思いついたときにさっと書き足すという使いかたがしづらい。ふだんから表計算を使い慣れている人以外には、あまりおすすめしません。
方法4:アプリ
ここだけ少し長めに書きます。
ひとくちにアプリと言っても性格の違う3種類があって、どれも「やりたいことリストが作れます」と書いてあるのに実際の設計思想がまったく違うので、ここを取り違えたまま入れると「思っていたのと違う」になります。
家事・タスクを共有するアプリ
買い物リストや家事分担を夫婦・家族で共有するためのアプリです。「ToDoリスト共有 Loom」「TODOリスト共有 minto」「Towaly」などがこの系統で、やりたいことリストの機能を併せ持っているものもあります。
生活の管理をまとめたい人には便利です。ただ一つだけ。やりたいことが、牛乳を買うのと同じ場所に並びます。 毎日発生する家事のなかに「いつか島に行く」が混ざると、まず後回しになります。やることとやりたいことは、性質が逆なので。
カップル専用のアプリ
二人向けに作られたアプリです。「100wish.」のように、カップルの100のやりたいことリストに特化したものもあります。目的がはっきりしているぶん、その用途では使いやすくできています。
弱点は、相手が限定されること。友達や家族とは使えません。
やりたいこと専用のアプリ
家事も買い物も扱わず、やりたいことだけを扱うアプリです。私たちが作っているNabejanがこれにあたります。
長所はやりたいことが他のものに埋もれないことと、達成した記録が残ること。短所は相手にもアプリを入れてもらう必要があることです。詳しくは後半に書きます。
4つを並べて比べる
| 紙・手帳 | LINE | スプレッドシート | アプリ | |
|---|---|---|---|---|
| 始めやすさ | ◎ | ◎ | ○ | △(相手も入れる) |
| 離れていても使える | × | ◎ | ◎ | ◎ |
| あとから見返しやすい | ○ | × | △ | ◎ |
| 達成の管理 | △ | × | ○ | ◎ |
| 記録として残る | ◎ | △ | △ | ◎ |
| 3人以上で使える | △ | ○ | ◎ | ○ |
表にすると分かりますが、紙とLINEは「始めやすいが残らない」、スプレッドシートとアプリは「残るが始めるのに一手間かかる」という対称になっています。
どれを選ぶか ── 3つの分かれ道
1. 相手と離れているか
離れているなら紙は外れます。
逆に同居していて毎日顔を合わせるなら、紙はむしろ最有力です。デジタルで管理する理由が、そもそもあまりないので。
2. 何個くらい書くか
20〜30個で収まるならLINEで十分。100個書くつもりなら、LINEは早い段階で破綻します。
3. 何年か先に見返したいか
これが一番大きな分かれ道です。
「やった」で終わらせるならLINEで足りますが、数年後にふたりで見返して「こんなことも書いてたね」と言い合う時間まで含めて欲しいなら、写真が一緒に残る形を選んでおかないと、あとから取り返しがつきません。リストの価値は、書いた瞬間より見返した瞬間に出ます。
相手別の作りかた
置き場所が決まったら、あとは中身です。相手によって書けるものがかなり変わるので、それぞれ別に書きました。
- 友達と「一緒にしたいこと100」をつくる ── 例文100個と進めかた
- 恋人と一緒にしたいこと100 ── 10ジャンル別の例文100個
- 夫婦でつくるやりたいことリスト100 ── 家事リストに埋もれさせない方法
私が作っているアプリの話
比較の一つとして、自分のアプリのことも書いておきます。
Nabejan(ナベジャン)は、やりたいことを書いて、誘って一緒にやるためのアプリです。私が自分のために作りました。買い物リストも家事分担も入れていません。
人が最期に後悔することで多いのは「もっと家族や友だちと時間を過ごせばよかった」ということらしく、それなら意識して増やすしかないなと思ったのが出発点です。……と書くと大げさですが、実際のところ自分が一番よく使っています。
- やりたいことに相手を誘えます。声をかけるところまでアプリの中でできます
- 達成した記録が写真つきで残ります。消えずに積み上がります
- 相手は誰でもいいです。恋人でも夫婦でも友達でも家族でも、同じ1つのリストで使えます
- やりたいことごとに公開・非公開を選べます
- フォロワー数や「いいね」の数は他の人には見えません。人と比べる場所にはしたくなかったので
この表のなかでの立ち位置で言うと、「始めるのに一手間かかるが、いちばん残る」側です。LINEのように「もう入っている」わけではないので、そこは素直に不利な点です。無料です。
App Store でダウンロード / Google Play でダウンロード
よくある質問
途中で方法を変えてもいいですか
問題ないです。むしろ最初はLINEで始めて、増えてきたら移すのが現実的だと思います。最初から完璧な置き場所を選ぼうとすると、だいたいそこで止まります。
相手がアプリを入れてくれません
よくあると思います。無理に揃えず、自分のリストだけ持っておいて、一緒にやりたいものだけ声をかける形でも十分回ります。
3人以上で共有したいです
スプレッドシートがいちばん素直だと思います。ただ全員で1つを持つより、各自が自分のリストを持っていて、一緒にやれるものを誘い合う形のほうが続きます。
リストを他の人に見られたくありません
紙とスプレッドシートは自分で管理できます。アプリの場合は公開範囲の設定があるかどうかを先に確認するといいです。Nabejanは項目ごとに公開・非公開を選べます。
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Nabejanとは 
