「また今度ね」と言って別れて、次に会ったのが一年後だった。

二十代の後半から、そういうことが増えました。仲が悪くなったわけではありません。学生のころは教室や部室やバイト先が勝手に会う口実を用意してくれていたのに、社会人になるとその装置が全部なくなって、こちらから理由を作らないかぎり誰とも会えなくなる、というだけの話だと思います。

その理由を、先に100個つくっておく。それが「一緒にしたいこと100」です。

この記事には例文を100個並べました。1時間で書き上げる進めかたと、書いたあと実際にやるためのコツも書いています。

友達と作ると、ひとりのリストとは何が変わるのか

「ひとりでは無理なこと」が書けるようになる

試しにひとりで10個書いてみてください。だいたい自分ひとりで完結することばかりになります。資格を取る、痩せる、本を読む。どれも大事なのに、並べてみると宿題みたいな顔をしている。

相手がいると、ここが変わります。

深夜のファミレスで閉店まで話す。行き先を決めずに車を走らせる。手持ち花火をする。どれもひとりでやったら意味がないことばかりで、だから普段は「やりたいこと」として意識にすら上がってこないのですが、相手の名前が横にあるだけで、急に実行できる予定に変わります。

ひとりのリストが「なりたい自分」の話になるのに対して、友達とのリストは「過ごしたい時間」の話になる。似ているようで、この二つは性質がまったく違います。

「いつか」に日付が入る

書いたものを相手も覚えている。これが地味に効きます。

ひとりのリストは、やらなくても誰も困りません。だから何年でも「いつか」のままでいられる。ところが同じものを相手が見ていると、ある日ふいに「あれ、やる?」と言われます。この一言が出るかどうかだけで、実行できる数はまるで変わります。

相手の書いたことが、自分の世界を広げる

100個も出し合うと、自分では絶対に思いつかなかったものが混ざってきます。付き合いで一度やってみたら自分のほうがハマった、はよくある話です。

作りかた ── 2人で100個を1時間で埋める

いきなり100個は出ません。順番があります。

1. ジャンルを10個決めてから、中身を埋める

白紙に100個書こうとすると、だいたい30個あたりで止まります。先にジャンルを10個決めて、1ジャンル10個ずつ。これだけで驚くほど楽になります。

ジャンルの例:おでかけ、旅、食べる、季節の行事、挑戦、学び、体を動かす、思い出に残す、お金をかけない、ちょっと贅沢。この記事の例文も、この考えかたで分けています。

2. 電話しながら出し合う。その場で判断しない

会って書こうとすると、意外と進みません。電話やビデオ通話をつなぎながら、思いついた順に言い合うのが一番速い。文字にするのは片方だけでいいので、もう片方は思いつくことに集中できます。

このとき大事なのは、「それは無理じゃない?」を言わないこと。お金がかかる、時間がない、体力が足りない。そういう判断は全部あとまわしにします。判断を挟んだ瞬間に、口が止まります。

3. 「100個埋めきる」にこだわらない

先に言っておくと、初回で100個埋まることはほとんどありません。だいたい60〜70個で手が止まります。それでぜんぜん構わないです。

残りは、思いついたときに足していけばいい。むしろあとから足せる余白があるほうが、リストは長く生きます。

止まったときの質問12個

手が止まったら、この質問をお互いに投げてみるといいです。ここから数個ずつ出てきます。

  1. 最近、声を出して笑ったのはいつ? 何がおかしかった?
  2. 子どものころ、いちばん好きだった遊びは?
  3. お金も時間も無限にあったら、明日は何をする?
  4. 相手と一緒じゃないと、絶対にやらないことは?
  5. 「いつか行こうね」と言ったまま、行っていない場所は?
  6. やってみたいけど、ひとりだと恥ずかしいことは?
  7. 10年前の自分が今の自分を見たら、何に驚くと思う?
  8. 最近もらって、うれしかったものは?
  9. 相手に教わりたいことは?
  10. 来年の今ごろ、どうなっていたい?
  11. 今日の帰りに寄り道するとしたら、どこ?
  12. この1年で、一度も行っていない種類の場所は?

【例文100】友達と一緒にしたいこと

全部を使う必要はまったくないです。ピンと来たものだけ拾って、あとは自分たちの言葉に置き換えるくらいがちょうどいいと思います。

すぐできる・お金をかけずに(20)

  1. 平日の夜、理由もなく長電話する
  2. 深夜のファミレスで、閉店まで話す
  3. おすすめの曲を10曲ずつ交換して、全部聴く
  4. 同じ本を買って、同じ週に読み終える
  5. 相手の部屋の模様替えを手伝う
  6. お互いの写真フォルダを見せ合う
  7. 自分のプロフィールを、相手に書いてもらう
  8. 一日、お互いの服を選び合う
  9. 近所を1時間、目的を決めずに歩く
  10. 公園でコンビニのごはんを食べる
  11. 図書館で、相手に一冊選んでもらう
  12. 学生のころ行った場所に、もう一度行く
  13. お互いの小さいころの写真を持ち寄る
  14. LINEではなく、手紙を書いて渡す
  15. 降りたことのない駅で降りてみる
  16. 相手の得意なことを、教えてもらう
  17. 一緒に早起きして、朝ごはんを食べる
  18. 「最近うれしかったこと」を3つずつ話す
  19. 散歩しながら、来年の話をする
  20. 何もしない日を、一緒に過ごす

おでかけ・旅(20)

  1. 日帰りで海を見に行って、何もしないで帰る
  2. 予定を何も入れない一泊をする
  3. 夜行バスでどこかへ行く
  4. 相手の地元を案内してもらう
  5. 自分の地元を案内する
  6. 飛行機の窓側を、じゃんけんで決める
  7. 船に乗らないと行けない場所へ行く
  8. いちばん低い山から始めて、山にのぼる
  9. 火をおこすところから、キャンプをする
  10. 花火大会に浴衣で行く
  11. 動物園か水族館に、大人だけで行く
  12. 美術館で、お互いの一番好きな絵を選ぶ
  13. 遊園地で絶叫系に全部乗る
  14. 車を借りて、行き先を決めずに走る
  15. ドライブしながら朝日を見る
  16. 星がきれいな場所まで行く
  17. 電車で3時間以上かけて、どこかへ行く
  18. 海外にふたりで行く
  19. 旅の写真で、アルバムを1冊つくる
  20. 泊まってみたかった宿に泊まる

食べる(15)

  1. 朝までやっている店で、朝ごはんを食べる
  2. ふたりで鍋を囲む
  3. どちらかの手料理をふるまう
  4. 一緒にお菓子を作る
  5. 行列のできる店に、朝から並ぶ
  6. 食べ放題で、限界まで食べる
  7. 高いお店に、ちゃんとした服で行く
  8. コンビニスイーツを10種類、食べ比べる
  9. その土地でしか食べられないものを食べる
  10. 屋台で、ひとつずつ違うものを買って分ける
  11. お互いの「一番好きな店」に連れて行き合う
  12. ケーキを半分こする
  13. お花見をしながらお弁当を食べる
  14. 夏にかき氷をはしごする
  15. 一緒にお酒を選んで、家で飲む

季節のこと(15)

  1. 混んでいない日をねらって、初詣に行く
  2. いい大人ふたりで、豆をまく
  3. 同じ木の桜を、毎年見に行く
  4. 潮干狩りをする
  5. 夏祭りで、しょうもないくじを引く
  6. 線香花火だけ、最後まで残しておく
  7. 泳ぐ気がなくても、海には入る
  8. 平日に休みを取って、空いている紅葉を見に行く
  9. 芋掘りか果物狩りに行く
  10. ハロウィンの仮装をする
  11. イルミネーションを見に行く
  12. 年末に、一年を振り返る会をする
  13. 大晦日を一緒に過ごす
  14. 初雪の日に、その日のうちに外へ出る
  15. 冬の朝、こたつでみかんを食べる

ちょっと挑戦(15)

  1. 一緒に資格の勉強をはじめる
  2. ふたりでマラソン大会に出る(5kmでいい)
  3. 楽器を1曲、合わせて弾けるようにする
  4. 一緒にジムに3ヶ月通う
  5. 朝5時起きを1週間、報告し合う
  6. 苦手な食べ物を克服する
  7. ダイビングのライセンスを取る
  8. スキーかスノーボードで、滑れるようになる
  9. ふたりで何かを売ってみる
  10. 献血に一緒に行く
  11. ボランティアに一緒に参加する
  12. 同じ日に、ふたりとも髪を切る
  13. 一ヶ月、お菓子をやめる勝負をする
  14. 山小屋に泊まって、ご来光を見る
  15. ふたりで貯金の目標を決める

思い出に残す(15)

  1. いい歳してプリクラを撮る
  2. 写真スタジオで、ちゃんとした写真を撮る
  3. ふたりの1年をまとめた動画をつくる
  4. お互いに手紙を書いて、10年後に読む
  5. 同じものを買って、おそろいで使う
  6. 10年後に見に行く前提で、木を植える
  7. その年の「ベスト10」を毎年決める
  8. 思い出の場所で、毎年同じ構図の写真を撮る
  9. 相手の誕生日を、毎年ちがう方法で祝う
  10. 料理以外で、一緒に何かを作る
  11. お互いの家族に会う
  12. ふたりだけの呼び名を決める
  13. 続けていることを、10年続ける
  14. お互いのリストを交換して、1つずつ叶える
  15. このリストを、5年後にもう一度見返す

書いたあと、どこに置いておくか

ここがいちばん大事です。書いて満足して二度と見返さない、が一番よくある失敗で、置き場所を決めていないとほぼ確実にそうなります。

方法はだいたい4つあります。

  • 紙・手帳に書く ── 書く時間そのものが楽しい。ただし離れていると共有できず、更新も片方で止まりがち
  • LINEのノート ── すぐ始められるのが最大の利点。ただし流れていくので、数か月後には探せなくなりやすい
  • スプレッドシート ── 自由度は一番高い。ただしスマホで開く気にならず、だんだん見なくなる
  • アプリ ── 見返しやすく、達成の記録も残る。ただし2人とも入れる必要がある

会う頻度が高くて近所に住んでいるなら紙でも十分ですし、離れているならスマホで見られるものが要ります。4つをそれぞれの弱点まで含めて比べたものを やりたいことリストを人と共有する4つの方法 にまとめました。

口約束で終わらせないために

誘う側が、いつも同じ人になる

これが友達との一番の落とし穴です。

リストを作ると、たいてい片方が誘う役になります。最初は気にならないのですが、3回、4回と続くうちに、誘うほうは「また自分からか」と思いはじめ、誘われるほうは誘われている自覚すらないまま、気づくとどちらも連絡しなくなっている。悪気がないぶん、こうなると止まりかたが静かです。

対策は簡単で、「次はそっちが決めて」と先に言っておくこと。順番にするだけで、誘う役が固定されなくなります。

「次にやる1つ」だけ決めておく

100個を眺めても、人は動けません。そのなかから1つだけ選んで、次に会うときにやると決めておく。それが済んだら、また1つ。地味ですが、これが一番効きます。

数を目標にしない

「今年中に30個」は立てないほうがいいです。数を追うと、簡単なものばかり選ぶようになります。

やったことを、記録として残す

チェックを付けて消してしまうと、あとに何も残りません。写真が1枚あるだけで、数年後の見返しかたがぜんぜん変わります。友達との記録は、時間が経つほど効いてくるみたいです。

今日できること

ここまで読んで「今度やってみよう」で終わると、だいたいやりません。私がそうなので偉そうには言えないのですが。

なので、ひとつだけ提案です。上の質問12個から好きなものをひとつ選んで、その友達にいま送ってみてください。

「急にどうしたの」と返ってくると思います。それでいいです。返事が来たら、それがもう1個目です。

私が作っているアプリの話

最後に、自分のアプリの話を少しだけ。

Nabejan(ナベジャン)という、やりたいことを書いて、誘って一緒にやるためのアプリを作っています。買い物リストや家事の管理は入っていません。やりたいことだけです。

なぜ「書いておく」ことにこだわっているのか、自分の話をさせてください。

私は3年くらい「天下一品のラーメンを食べてみたい」と思っていました。前に住んでいた街の帰り道にあった店です。お腹が空いていてもまっすぐ家に帰る性分で、いつも素通りしていました。そのうち引っ越して、たまに思い出しては忘れる、を繰り返していました。

ある日それをアプリに書きました。そして調べたら、いまの家から歩いて20分のところにあったんです。3年越しに行って、一口食べて、濃すぎてびっくりして帰ってきました。

やりたいことって、忘れるんじゃなくて薄くなっていくんだと思います。3年前にあれだけ食べたかったものが、引っ越して半年もすると思い出しもしなくなって、でも完全に消えたわけでもなくて、書き出してみるとちゃんとそこにある。友達との「また行こうね」も、たぶん同じです。

  • やりたいことに友達を誘えます。声をかけるところまでアプリの中でできます
  • 達成した記録が写真つきで残ります。消えずに積み上がっていきます
  • フォロワー数や「いいね」の数は他の人には見えません。人と比べる場所にはしたくなかったので

向いていない点も書いておくと、ひとりで使っていてもあまり面白くないアプリです。誘う相手がいてはじめて意味が出ます。この記事を読んでいる方には、ちょうどその相手がいるはずなので、そこだけは向いていると思います。無料です。

App Store でダウンロード /  Google Play でダウンロード

よくある質問

100個も思いつきません

埋まる人のほうが少ないと思います。60個くらいで一度止めて、思いついたときに足していくほうが長続きします。上の質問12個も使ってみてください。

友達とやりたいことが合いません

全部を合わせなくて大丈夫です。片方だけがやりたいことも、消さずに残しておくほうがいいと思います。そういうものほど、あとから面白くなったりします。

3人以上でも作れますか

作れます。ただし全員で100個を出し合うと収拾がつかなくなるので、各自が自分のリストを持っていて、そのうち一緒にやれるものを誘い合う形のほうがうまくいきます。夫婦や家族で作る場合は 夫婦でつくるやりたいことリスト100 も参考にしてください。

途中でやらなくなったら

それで大丈夫です。1年後に見返して、1つでもやれていたら十分。「これ、まだやってないね」と言い合える相手がいること自体が、もうこのリストの役目を果たしています。

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Nabejanとは

「やりたいこと」だけを投稿するSNSです
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